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■こんな社員には就業規則で対抗!

・対抗事例
Q1. 茶髪等の従業員
A1. 
会社は通常複数の人間が集まり、集団で活動を行っています。そのため、一定の秩序を維持するための権利が与えられていると考えられており、具体的にはそれが服務規律となっています。したがって、会社には従業員に対してある一定の基準に合わせるように命じる権利があると言えます。

  しかし、一方で従業員個人の自由も尊重されるべきものですから、本件のような例では、秩序の維持と自由の尊重との間で線引きがされて判断されることになるでしょう。本件のようなトラブルを防ぐためには、会社側として考える秩序維持のための基準を就業規則に服務規律として規定することが必須です。その上で、採用時に従業員に明示するとともに誓約書等を取り付ければトラブルに巻き込まれることは少ないでしょう。

<就業規則の規程例>

第○条(規則の遵守義務)

社員は、この規則及び付属規程を遵守し、会社の指示命令を守り、その義務を履行するとともに、職場の秩序の維持に努めなければならない。

第○条(服務心得)

・服装・身なりは、常に清潔を保ち、他人に不快感を与えるようなものとしないこと。
・当社のイメージに合わない服装・身だしなみを避け、品位と信頼を損なわないよう振舞うこと。

第○条(服装)

勤務にあたっては、会社から指示された服装をすることとし、会社から改善命令があった場合は、社員はそれに従わなければならない。

・対抗事例

Q2. 同業他社への転職従業員
A2. 
退職後の同業他社への転職や自らの起業を禁止する、いわゆる競業避止の問題については判例も分かれています。もちろん会社における営業上の秘密などは保護されるべきものであり、一定の範囲で競業を禁止することは合理的であるいえます。しかし、一般的に競業禁止は憲法で保障する職業選択の自由を脅かしかねませんので、その規定は無効とされてしまいます。したがって、仮に就業規則等に規定があっても、それが有効かどうかは個別の事情によるところですが、といって無規定では論題ということになります。

<就業規則の規程例>

第○条(競業禁止)

従業員は、在職中および退職後を通じて、会社の承諾を得ることなく業務上知りえた機密事項を利用して競業行為を行ってはならない。

・対抗事例

Q3.  定期健康診断の受診拒否従業員
A3. 
会社には、従業員を働かせる上で、その生命及び身体を保護するように配慮する義務(安全配慮義務)があり、健康診断の受診命令も安全配慮義務の一つです。さらに労働安全衛生法にも、健康診断の実施が事業主の義務であることが規定されており、この義務を怠った場合には、罰則規定も設けられています。

 従業員が健康診断を受診しないままにすると、会社は安全配慮義務を怠ったことになり、例えば、不幸にして過労死が起きたりすると、会社の責任問題となり、損害賠償請求にまで発展しかねません。もちろん従業員の健康を守るためにも、また法律違反にならないためにも、従業員に健康診断を受診させることが大切なことです。健康診断を受けることが従業員の義務であることを明確にするためにも、就業規則に規定する必要があります。その結果、業務命令として健康診断の受診を促すことができ、従わなければ懲戒処分も可能となります。

<就業規則の規定例>

第○条(健康診断)

会社は、社員に対し年1回定期に健康診断を行う。
社員は、会社が行う健康診断を正当な理由無く拒むことはできない。

第○条(健康教育)

1.  社員に対する健康教育、健康相談およびその社員の健康の保持増進を図るため、必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるものとする。
 
2.  社員は、前項の措置を利用してその健康の保持増進に努めなければ
ならない。
 

・対抗事例

Q4. 遅刻常習犯の従業員
A4. 
遅刻を見逃すのは、他の従業員に悪影響を与えることになりかねません。遅刻しても何の制裁も無ければ、従業員全体の士気が下がり、結果的に業績も低下することになってしまいます。そのためにも、まず就業規則に遅刻に対する制裁規定を設ける必要があります。そして遅刻した場合には、この就業規則に基づいて厳正な処分を下すことが不要なトラブルを防ぐ第一歩です。

  なお遅刻した場合に、遅刻した分の給料をカットすること自体は、制裁には当たらず単に働かなかった分を支払わないというノーワークノーペイの原則に従っただけです。ですから、働いていない分のカットに加えて制裁としての処分を課すことができます。

  ただし、制裁として減給を行う場合には、労働基準法に制約があることに注意しなければなりません。労働基準法第91条は「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とされています。

  例えば「月3回の遅刻で1回の欠勤とみなす」という規定を置いているとすると、場合によっては法律違反となります。というのは、1日分の平均賃金が1万円で、所定労働時間が8時間だとすると1回の減給制裁の限度は、5千円までということになります。よって4時間を超えて遅刻した場合には、ノーワークノーペイ分と合わせて平均賃金の1日分である1万円の減給が可能ですが、4時間未満の場合は労働基準法に抵触することになってしまいます。

<就業規則の規定例>

第○条(欠勤・遅刻・早退・私用外出)

1.  正当な理由なく欠勤・遅刻・早退・私用外出をしてはならない。
 
2.  欠勤・遅刻・早退・私用外出を行う場合は、事前に届け出て承認を受けなければならない。ただし、やむを得ない場合は、事後速やかに届け出なければならない。
 
3. 欠勤・遅刻・早退・私用外出に対応する時間については賃金を支給
しない。この取扱いは「賃金規定」による。

・対抗事例

Q5. 休職明け再休職の従業員
A5. 
私傷病での長期欠勤に対して休職制度を定める就業規則はよくあります。
その中では、勤続年数によって休職可能期間を定め、また期間満了時に復職不可能な場合には退職させるというような規定が定められる場合が多いようです。このような規定だけの場合、休職期間内に復職し、またしばらくして休職するということを繰り返されたら、半永久的に雇用を継続し続けなければならないことになってしまいます。

  そこで同一事由による再休職の規定をし、休職期間を通算する取扱いをすることが重要です。この規定があれば、休職期間満了での退職の取扱いが可能となります

<就業規則の規定例>

第○条(再休職)

私傷病による休職者が復職後6ヶ月以内に同一事由で再休職する場合、前回の休職の延長とみなしその期間を通算する。


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