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就業規則トラブル事例

 

事例5

退職者がライバル会社に転職し、売上に影響が・・・

 旅館業を営むE社の事例です。

 以前E社に勤めていたFが、E社退職後間もなくE社と同様の業務を行うライバル会社Gを設立しました。さらに、FはE社の社員、数名の引き抜きを計画し、E社の優秀な社員であるHらに対し新会社Gに転職することを勧め、その結果、Hらはそれに応じることになりました。

 E社の社長は、ライバル会社に移ったHらには、退職金を支給しないこととしましたが、Hらは「あくまで我々は自己都合による退職で、退職金を貰う権利がある。就業規則にも、そのような理由で退職金が支払われない旨の規定はない。」として、もし、退職金を支払わないのなら、労働基準監督署に訴えると言ってきました。

 E社はいろいろと調べた結果、Hらに対する退職金を不支給とすることは諦め、そのかわり、新会社を設立し、社員を引き抜いたFに対し損害賠償請求をすることとしました。

 ポイント

 ライバル会社への転職やライバル会社の設立は、憲法に職業選択の自由が定められているため制限を加えることは、難しくなっています。しかし、判例では、一定の要件のもと、退職後のライバル行為を禁止する義務(競業避止義務)を認めています。それを認めるための条件の第一は、就業規則に明確にそれが定められていることとしています。

  また、判例では、ライバル会社へ転職した者に対する職金の返還も認めれれた事例があります。これは、退職金規程の退職金不支給事由の項に、「競争関係にある同業他社へ就職するため退職した時、又は引き抜きに応じ退職したとき」と定めてあった場合に、既に支払った退職金を不当利得として返還を認めたものです。

 上記の判例からも分かるように、就業規則さえきちんと整備されていれば、既に支払った退職金の返還さえもスムーズに行えたはずなのです。


 

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